パンの形色(けいしょく)のうちにまことにまします隠れ給う天主、今うやうやしく御前(みまえ)に礼拝し奉る。われは主を認むる力(ちから)足らざるにより、わが心を全く主に従わせ奉る。
▲ここに今、見、触れ、味わうところのみにては、これが主なることを認め難(がた)けれども、ただ耳に聞けるところによりて確信するなり。われは天主の御子(おんこ)のたまいしことを、ことごとく信じ奉る。この真理の言葉にまさるまことは、世にあることなし。
十字架上にては天主たるの性(せい)のみ隠れしかど、ここにては人たるの性(せい)も共に隠るるなり。されどわれ二つの性の共にましますを信じ、かつこれを公言し、カルワリオにて悔改めし盗賊の願いしことをわれもまた願い奉る。
▲われはトマの如く御傷(おんきず)を見ざれども、主のわが天主なることを公言してはばからず。願わくは、われをして主をますますあつく信じ、主に依り頼み、主を愛することを得しめ給え。
わが主の御死去(ごしきょ)の記念として人に命を与(あた)うる活(い)けるパンよ、わが心を御身(おんみ)によりて生きながらえしめ、何時(いつ)もその甘美なる味を覚ゆることを得しめ給え。
▲御血(おんち)の一滴(ひとしずく)をもつてしても、世のすべての罪を償(つぐの)うを得給う(えたもう)主なるイエズス、願わくは汚(けが)れたるわれを、御血をもつて清め給え。
聖体の姿のうちに見奉る(みたてまつる)イエズス、願わくはわが渇(かつ)するごとく望むところを与え給え。即ち天国においてあらわに主の御顔(おんかお)を見奉り、御栄え(みさかえ)を仰ぎて幸いなるを得しめ給え。▲アーメン。
ああ救霊のいけにえ、
天(あま)つ御国(みくに)の門を開き給う御者(おんもの)よ、
われらの敵は戦いをいどむが故に、
われらに力と助けとを与え給え。
三位一体(さんいいったい)の天主に、
世々に栄えあらんことを。
また願わくは終りなき命を、
天つ(あまつ)ふるさとにおいて与え給わんことを。アーメン。
めでたし、童貞マリアより生まれ給いしまことの御体(おんからだ)よ、
げに人のために苦しみを受け、十字架の上にていけにえとなり給いし御者(おんもの)よ、
御側腹(おんわきばら)はさし貫かれ、水と血とを流し給えり。
願わくは臨終の戦いに当(あた)りて、あらかじめわれらに天国の幸いを味わしめ給え。
ああ甘美なるイエズス、
慈悲(じひ)深きイエズス、
マリアの御子(おんこ)なるイエズスよ。アーメン。
いざ歌えわが舌よ、
栄えある御体(おんからだ)の奥義(おくぎ)と、
尊き御母(おんはは)の御子(おんこ)、万民の王の、
世のあがないのために流し給える尊き御血(おんち)の奥義をば。
主は汚(けが)れなき童貞(どうてい)より生まれ出(い)でてわれらに与えられ、
御教え(みおしえ)の種をまきつつこの世をわたり、
くすしき御恵み(おんめぐみ)を与えてこれを終り給いぬ。
すなわち最後のばんさんの夜(よる)に当りて、主は兄弟らと共に食卓をかこみ、
旧約の則(のり)にしたがいて過越(すぎこし)を食(しょく)し、
このとき、御手(おんて)ずから御身(おんみ)を十二使徒に分(わか)ち給えり。
ひととなり給える御言葉(みことば)はまことのパンを御肉(おんにく)となし、ブドウ酒はじつに御血(おんち)と変(かわ)れり。五感はこれを測り得(え)ざれども、まことなる心は信仰のみによりて固く信ずるなり。
かくも尊き秘蹟をば、われら伏して拝み奉らん。
いにしえの式(しき)は過ぎ去りて新しき祭りはなれり。
願わくは信仰の、わが五感の足らざるところを補えよかし。
御父(おんちち)と御子(おんこ)に、誉(ほまれ)と喜び、
礼拝と御栄え(みさかえ)、力と祝福あれ、
二位(にい)より出(い)で給う聖霊もまた共にたたえられよかし。アーメン。
天主は、讃美せられさせ給え。 | ▲繰り返す |
天主の御名(みな)は、讃美せられさせ給え。 | 同(おなじく) |
まことの天主、まことの人なるイエズス・キリストは、讃美せられさせ給え。 | 同 |
イエズスの御名(みな)は、讃美せられさせ給え。 | 同 |
イエズスの至聖(しせい)なる聖心(みこころ)は、讃美せられさせ給え。 | 同 |
イエズスのいと尊き御血(おんち)は、讃美せられさせ給え。 | 同 |
いと尊き聖体(せいたい)の秘蹟(ひせき)にましまし給うイエズスは、讃美せられさせ給え。 | 同 |
天主の御母(おんはは)聖マリアは讃美せられさせ給え。 | 同 |
聖マリアの原罪(げんざい)の汚れなき御宿り(おんやどり)は、讃美せられさせ給え。 | 同 |
聖マリアの栄(はえ)ある被昇天(ひしょうてん)は、讃美せられさせ給え。 | 同 |
童貞(どうてい)にして母なる聖マリアの御名(みな)は、讃美せられさせ給え。 | 同 |
聖マリアの浄配(じょうはい)なる聖ヨゼフは、讃美せられさせ給え。 | 同 |
すべての天使と聖人とにおいて、天主は、讃美せられさせ給え。 | 同 |
わが主イエズスよ、主は人々を愛し給うにより、昼夜(ちゅうや)聖体の秘蹟にましまし、あわれみと慈しみとに満(みち)あふれて人々を招き、すべて主を訪(と)い奉る者を恵み給う。▲われこの聖体の秘蹟に主のまことにましますことを信じ、ひれ伏して主を礼拝し、またすべてわれに施し給いし御恩(ごおん)、特にこの秘蹟をもつて御身(おんみ)をわれに与え、聖母マリアをわが代祷者(だいとうしゃ)となし、かつ今、われを主の御前(みまえ)に招き給えるを感謝し奉る。
われいま御恵み(おんめぐみ)に感じ、慈しみ深き御心(みこころ)をうやうやしく礼拝し、一には主がこの聖体の秘蹟を定め給いし御恵みを謝(しゃ)し、二には聖体の秘蹟においてすべての敵より受け給いし辱(はずか)しめを償(つぐの)い、三には聖体の秘蹟のうちに主を敬い認めざる人々に代りて主を拝み奉らんとす。▲わが主イエズスよ、わが一心(いっしん)に主を愛し、今までしばしば限りなき主の慈しみに背きしを悔(くや)み、聖寵(せいちょう)の助けによりて、この後(のち)主に背くまじと決心し奉る。
われはわが身を全く主に献げ、心をも愛情をも希望をも持ち物をもことごとく主に委(まか)せ奉る。▲願わくは、今よりわれとわがすべてのものとにつき御旨(みむね)のままに計らいたまえ。ただ主を愛し、死するまで耐え忍びて、御旨を成就せんことを願い奉る。また煉獄(れんごく)の霊魂を救い、とくに聖体と聖母マリアとをあつく尊(とうと)みたる者を救い給え。あわれなる罪人(つみびと)にも御慈悲(おんじひ)の御眼(おんまなこ)を注ぎ給え。ついにわが愛情を、主の聖心(みこころ)の愛情に合わせて、これを永遠の御父(おんちち)に献げ、聖父(ちち)のこれを受け容れ給わんことを、主の御名(みな)によりて願い奉る。アーメン。
(聖心の大祝日にこの祈りを唱える)
いと甘美なるイエズスよ、主(しゅ)が人々に示し給いし御慈(おんいつく)しみはかえつてかれらの忘却(ぼうきゃく)と冷淡とけいべつとによりて報いらるるなり。さればわれらは、主の祭壇の御前(みまえ)にひれ伏し、いとも愛すべき主の聖心(みこころ)が、あらゆる方面より受け給う、かくも憎むべき忘恩(ぼうおん)ぼうとくを償(つぐの)わんがために特に礼拝し奉(たてまつ)る。▲されどわれらもまた、かつて主に背(そむ)き奉りたるものなるを思い出し、深く悲しみて御(おん)あわれみを願い奉る。われらはおのが罪を償(つぐの)うのみならず、さらに進んで、救霊(きゅうれい)の途(みち)を遠ざかり、主の御招き(おんまねき)に応ぜずして不信仰を改めざる者、洗礼の約束を破りて、主の御戒(おんいまし)めの快きくびきを振り棄てたる人々の罪をも償わんと望み奉る。すなわちわれらは、世の腐敗せる風俗、むくなる青少年の霊魂を堕落のふちに導く誘惑、聖日(せいじつ)の無視、主ならびに主の諸聖人に向けらるる不敬の言葉、主の代理者たる教皇を始め、すべての司祭職に対してなさるる侮辱、至聖(しせい)なる愛の秘蹟(ひせき)に対する無関心と恐るべきとくせい、主のさだめ給いし、公教会の権利と権威とにさからう、社会の公然の不義の如き、悲しむべき種々の罪を、あまねく償い奉らんと欲す。ああかくの如き罪をば、われらの血潮(ちしお)もてことごとく洗い浄(きよ)めんとすべもがな。われら今ここに、主のいと高き御霊威(ごれいい)に対する冒辱(ぼうじょく)の償いとして、主がかつて十字架の上にて御父(おんちち)に献(ささ)げ給い、なお日ごと祭壇の上にて繰り返し給う償いに、童貞なる聖母、諸聖人、およびすべての信心深き信者の償いを合わせて献げ奉り、堅固(けんご)なる信仰、汚れなき生活、福音の戒め、ことに愛徳(あいとく)の完全なる実行をもつて、主の聖寵(せいちょう)の助けのもとに、われらおよび全人類の罪と、主の大いなる御慈しみ(おんいつくしみ)に対する冷淡とを、わが力の及ばん限り償い、全力を尽して、主に対する罪人(つみびと)の冒辱(ぼうじょく)を防ぎ、かつ能(あた)う限り多くの人々を、主の御許(おんもと)に呼び集めんと心より約束し奉る。いと慈悲深きイエズスよ、願わくは、至聖(しせい)童貞なる協償者(きょうしょうしゃ)マリアの御取次(おんとりつぎ)によりて、われらが進みて献げ奉る償いの約束を受け給いて、われらをして死にいたるまで忠実に主に仕え、天のふるさとにいたる日まで、この決心を固く保たしめ給え。聖父(ちち)と聖霊と共に世々に生きかつしろしめし給う主なるかな。アーメン。
至聖(しせい)なるイエズスの聖心(みこころ)よ、主はかつて聖女マルガリタ・マリアにキリスト信者の家庭に王たらんとの御望(おんのぞ)みを明かし給えり。▲われらは主の御旨(みむね)を尊(とうと)みて、今日(こんにち)ここに集まり、主がわれらの家庭の王にましますことを宣言し奉る。われらは今より、主の御生活(ごせいかつ)にならい奉りて、この世の平和に必要なる諸徳(しょとく)の花を、われらの家庭に咲き香(にお)わせ、また主の忌みきらい給う世間的精神をば、はるかにわれらの間(あいだ)より遠ざけんと欲す。願わくは、われらの知恵を治めて、信仰を素直ならしめ、われらの心をすべて、主ひとりを愛せしめ給え。われらはしばしば聖体を拝領して、主の愛に燃え、その炎をいつまでも失わざらんと欲す。
▲至聖なるイエズスの聖心よ、われらのまどいに長(おさ)となり、われらの精神的および物質的事業を祝し給え。禍(わざわ)いを遠ざけ、喜びを神聖にし、苦しみを和らげ給え。われらのうちに、主の御旨(みむね)を痛め奉る不幸に陥る者あらば、主が悔改(くいあらた)むる罪人(つみびと)に対して慈しみとあわれみとに充ちあふれ給うことを、思い出(いだ)さしめ給え。
▲ついにわれらの家庭が、死別の不幸にあい、悲しみの雲に閉ざされん時は、去る者も留(とど)まる者も、すべて主の永遠の御定め(おんさだめ)に服従し奉らん。やがては全家(ぜんか)挙(こぞ)りて天国に相(あい)集まり、主の御栄え(みさかえ)と御恵み(おんめぐみ)とを、永遠に讃美する日の来(きた)るべきことを思わば、みずから慰むるに余りあるべし。願わくは聖母マリアの汚(けが)れなき御心(みこころ)と、栄(さか)えある太祖(たいそ)聖ヨゼフとは、われらの家庭奉献(ほうけん)を主の御前(みまえ)に取次ぎ、われらをして、今日(こんにち)のこの奉献の記憶を、終生忘れざらしめ給え。願わくは、われらの王にして、父なるイエズスの聖心(みこころ)の、世々に活き、かつしろしめし給わんことを。アーメン。
至聖なるイエズスの聖心よ、主が多くの人々より辱(はずか)しめられ給うを償(つぐの)わんために、われらは愛と忠実と、さらに深きけんそんをもって御前(みまえ)にひれ伏し、卑(いや)しきわが身を新たに聖心(みこころ)に献(ささ)げ、今、次の約束をなし奉(たてまつ)る。
われらの心を聖(せい)ならしめ給う聖心よ、世の人々が、主の聖寵(せいちょう)の妙理(みょうり)を辱しむるとき、▲われらは一層(いっそう)聖心の摂理を深く信じ奉る。
人類の唯一の希望なる聖心よ、不信の暴風雨が、われらの希望を奪わんとするとき、▲われらは一層主に希望し奉る。
限りなく愛すべき聖心よ、世の人々が、主の御慈(おんいつく)しみを拒むとき、▲われらは一層深く主を愛し奉る。
天主(てんしゅ)の聖心よ、世の人々が、主の御神性(ごしんせい)を否(いな)むとき、▲われらは一層主を礼拝し奉る。
至聖なる聖心よ、主の聖なる掟が忘れられ、背(そむ)かるるとき、▲われらは一層これを守らんと決心し奉る。
豊かなる恵みを与え給う聖心よ、主の聖なる秘蹟が軽んぜられ忘れらるるとき、▲われらは一層愛と敬いとをもって、これを受けんと励み奉る。
すべての善徳の模範なる聖心よ、主の崇(あが)むべき御徳(おんとく)が見捨てらるるとき、▲われらは一層主の善徳にならわんと決心し奉る。
霊魂の救いをあつく望み給う聖心よ、悪魔が人々の霊魂を亡(ほろぼ)ぼさんとするとき、▲われらは一層その救霊(きゅうれい)のために、励まんと決心し奉る。
辱しめに飽かされたる聖心よ、世の人々が高慢(こうまん)と快楽とのために、おのれの務めを忠実に尽すをいとうとき、▲われらは一層おのれに打ち勝ち、ぎせいの心を養わんと決心し奉る。
甘美なる聖心よ、世の人々が、主の聖会(せいかい)を軽んずるとき、▲われらは一層聖会の忠実な子たらんと励み奉る。
やりにて貫(つらぬ)かれたる聖心よ、世の人々が、主の代理者たる教皇を迫害するとき、▲われらは一層かれを信頼し、かれのために祈らんと決心し奉る。
祈願 至聖なるイエズスの聖心(みこころ)よ、われらをして、この世においては聖心の使徒として励ましめ、天においては主の御栄(みさか)えとならしめんため、▲われらに聖寵(せいちょう)を降(くだ)し、われらの弱さを強め給え。アーメン。
主、イエズス・キリストよ、われは主を宇宙の王と認め奉る。▲一切の造られしものはみな主のためなれば、願わくはわが上(うえ)に主のすべての権能(けんのう)を行使(こうし)し給え。われここに洗礼の約束を新たにし、悪魔とその業(わざ)とその栄華とを棄て、よき信者として活(い)くることを誓い、特に天主と、主の公教会との権利が勝利を得んために、わが力の及ぶ限り尽さんことを約束し奉る。イエズスの聖心よ、われはすべての人の心が主の聖なる主権を認め奉り、主の平和の支配が全世界に及ぶを得んがために、わが貧しき業(わざ)をことごとく献げ奉る。アーメン。
(王たるキリストの大祝日に唱える祈り)
人類のあがない主(ぬし)にましますいとも甘美なるイエズスよ、うやうやしく主(しゅ)の祭壇のもとにひれ伏し奉るわれらを顧(かえり)み給え。▲われらは主(しゅ)のものなり。また主のものたらんと欲す。されどもなお固く主と一致するを得んため、いまおのおの進んで、至聖(しせい)なる聖心(みこころ)に身を献げ奉る。人々のうちにはいまだ主(しゅ)を知られざるもの多く、また主の御戒(おんいまし)めを軽んじて主を棄て奉りしもの多し。いとも慈悲(じひ)深(ふか)きイエズスよ、これらの者を皆あわれみ給いて、ことごとく主の聖心に引き寄せ給え。主よ、こいねがわくは、かつて主を遠ざかりしことなき信者に王たるのみならず、主を離れ奉りたる者にも王たり給え。かれらをして困苦(こんく)と飢餓(きが)とに滅ぶるを免れしめんために、早く父の家に帰らしめ給え。異説に迷わされし者、あるいは不和のために主を離れし者にも王たり給え。かれらをして、真理の港と信仰の一致とに帰らしめ、やがて一人の牧者(ぼくしゃ)、一つの群(むれ)となるを得しめ給え。
主よ、主の公教会(こうきょうかい)には無事と安全なる自由とを賜い、万民には秩序ある平安を賜いて、地の両極の間(あいだ)に、一つの声のなり渡るを得しめ給え。すなわちわれらに救(たす)かりを与え給う天主なる聖心の讃美せられ、世々に栄えと尊崇(そんすう)とあらせ給えかし。アーメン。
慈悲深き童貞マリア、▲御保護によりすがりて御(おん)助けを求め、あえて御取次を願える者、一人として棄てられしこと、いにしえより今にいたるまで、世に聞えざるを思い給え。ああ童貞中の童貞なる御母(おんはは)、われこれによりて頼もしく思いて走(は)せ来(きた)り、罪人(つみびと)の身をもつて、御前(みまえ)になげき奉る。ああ御言葉(みことば)の御母、わが祈りを軽んじ給わず、御(おん)あわれみをたれて、これを聴き給え、これを聴き容れ給え。アーメン。
我が元后(げんこう)、童貞聖マリア、▲われは、御身(おんみ)の尊き御保護と、特別なる御守護とのもとにわが身を置き、今日(こんにち)、毎日、また臨終の時、わが霊魂と肉身とを、あわれみ深き御手(みて)のうちに託(まか)せ奉る。われはわが一切の希望と喜び、困難と悲しみ、一生と最後とを御身に献げ奉る。御身の御(おん)取次と御勲(おんいさお)とによりて、われらのすべての仕業が、御身と御子(おんこ)との御旨に添うよう導き給わんことを願い奉る。アーメン。
(毎年聖母の汚れなき御心の公式の祝日に之を唱う)
いと潔(きよ)きあわれみの御母(おんはは)、平和の元后なる聖マリアよ、われらは聖なる教会の導きに従い、今日(こんにち)、日本および日本国民を御身(おんみ)の汚(けが)れなき御心(みこころ)に奉献し、そのすべてを御身の保護に委ね奉らんと欲す。
▲願わくは聖母、慈しみの御まなざしもてわれらの心をみそなわし給え。
ああ、人々真理にうとく、その心くらみ、罪の汚れに染(そ)み、諸国はまた互(たがい)に分(わか)れて相(あい)争い、天主の霊威(れいい)を傷つけ、御身(おんみ)の御心(みこころ)を悲しませ参らするなり。
▲されどわれら日本国民は、ひたすらに光をしたい、平和をこいねがうものなれば、願わくは聖母、御あわれみの御心(みこころ)をひらきて、われらの願いを聞き給え。われら今、この世のすべての苦しみ、悩みを雄々しく耐え忍び、そを世の罪の償(つぐの)いとして、天主に捧げ、その御(おん)怒りをなだめ奉り、わけても御身の汚れなき御心にならいて、主の御旨(みむね)を重んじ、身を清く持(じ)して、聖なる一生を送らんと決心す。
▲願わくは聖母、力ある御手(みて)をのべて、われらの弱きを助け給え。
かくて、われらは同胞、相互(あいたがい)にたすけはげまし、諸国は正義と愛のきずなもて結ばれ、もつて世界は、とこしなえの平和を楽しむにいたらんことを望む。
▲願わくは、御身、慈母(じぼ)の愛もてわれらを護(まも)り給え。
天主の聖母、われらのために祈り給え。
▲キリストの御約束(おんやくそく)にわれらをかなわしめ給え。
祈願 全能永遠なる天主、主は童貞聖マリアの御心(みこころ)のうちに聖霊のいみじき御宿(おんやど)をしつらえ給いたるにより、願わくは、御あわれみをたれて、かの汚れなき聖母の御心に日本を献げ奉りたるわれらをして、主の聖心(みこころ)にそいて生(い)くるを得しめ給え。われらの主キリストによりて願い奉る。▲アーメン。
天主の御母(おんはは)にしてわれらの母なる童貞聖マリアよ、御身は造られしもののうちにてたぐいなく、かつ善徳の鑑(かが)みにましませばわれ御膝下(おんひざもと)にひれ伏して、御身が天主より恵まれ給いしを讃美し、謹(つつし)みてわが身を献げ奉る。▲なお諸天使・諸聖人の、常に尽せる敬いと愛とを献げんと欲すれども能(あた)わざれば、せめて力のあらん限り讃美し、かつ仕えまつらんと欲し、守護の天使、諸聖人の前にて、一心に尊み敬い、わが慈しみ深き母、わが元后、わが保護者と仰ぎ頼み、わが肉身と五感、わが霊魂と知恵、ならびにわが愛情、わが生命をも託(まか)せ奉る。われ終生、聖母の子たるを楽しみ、聖母のしもべたるを高き位よりも重んじ、御名をほめ、御恵みを人に顕(あら)わし、ひとえに仕え奉らん。願わくはこの志をあわれみて、これを果(はた)すを得しめ給え。聖母は絶えずわれらを思いて、恵みを与えんと計り給えば、われ、いかで一日もこれを忘るるを得んや。ああ聖母、われを守り給わばわれに足らざるところなからん。故にこの涙の谷より、御助けをひとえに仰ぎ頼み奉る。
ああ聖母よ、悪しきへびあり、絶えず謀計(ぼうけい)をめぐらしてわれを傷つけ害(そこな)わんとす。▲御身はかのへびの強くして、わが弱きことをよく知り給えば、いつにても、いずこにても、われを棄て給わず、御足(みあし)もて、かれが頭(こうべ)を踏み砕き給え。ああ聖母よ、浮世の波風は常に吹き荒(すさ)みて、われを漂わし沈めんとす。御身は海路(うみじ)の難(かと)うして、我が危うきをはるかに見給えば、こいねがわくは希望の星となり、終りなき安楽の港に、われを導き給え。ついに諸聖人と共に、限りなく御名(みな)をほめ、御恵みを謝(しゃ)し、共に天主を愛し、かつ讃美するを得しめ給わんことを、聖母の御慈しみによりて願い奉る。アーメン。
ああ輝ける暁(あけ)の星なる聖マリアよ、▲御身(おんみ)はかつてさきがけとして地上に現われ、正義と真理との太陽なるイエズスの御出現近きを示し給いしものなれば、願わくは、御身の温和なる光をもつて日本国民を照らし、速(すみや)かにかれらの心の暗(やみ)をひらきて、永遠の光明(こうみょう)なる御子(おんこ)、われらの主イエズス・キリストを正しく認むるにいたらしめ給え。アーメン。