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病者のための祈


■ p.283 病人の快復を求むる祈

 ああイエズスよ、主はかつてこの世にましませし時、主を信頼し奉(たてまつ)る者に対して、常に御あわれみと御力(おんちから)とを現わし、その悩みを除き、憂いを慰め、病いをいやし給えり。▲主はいつも御あわれみに充ち給うが故に、『主よ、御身(おんみ)の愛し給う者病めり』と叫び奉るわれらの祈りを聴き給い、思召し(おぼしめし)ならば、全能の御手(おんて)をこの病人の上に延べ、その健康を快復せしめ給え。

 われら罪人(つみびと)なれども、病人の快復なる聖母マリアの御取次(おんとりつぎ)によりて、この切なる祈りを主に献げ奉る。アーメン。


公教会祈祷文


■ p.284 死に臨める人々のためにする祈

 ああ天主、われは今日(こんにち)全世界に行わるるすべてのミサ聖祭を、今日死すべき人々のため、特に献げ奉る。▲願わくは救世主イエズスの尊き御血(おんち)の功徳(くどく)によりて、かれらに御慈悲(おんじひ)をこうむらしめ給わんことを。アーメン。


公教会祈祷文


■ p.285 病中忍耐の徳を求むる祈

 完徳(かんとく)の鑑み(かがみ)にましますイエズス、われ病床にありて、ゲッセマニにおける主にならい、『思召(おぼしめし)のままになれかし』と御父に祈らんと欲す。願わくはわれをして主の御忍耐に学ばしめ給え。主はわれらを愛していかなる苦難をも、十字架をもいとい給わざりしが故に、われもまた主の愛の故に、すべての苦悩を甘んじ受くるを得しめ給え。主は御受難と御死去とによりて、われらの罪を償い(つぐのい)給いしが故に、われもまた、わが犯したる罪を償い(つぐのい)として、この病苦を忍ばしめ給え。不満と失望とに陥ることなく、かえって苦痛を忍びて永遠(えいえん)の生命(せいめい)を受くる勲(いさお)を樹(た)てしめ給え。またかつて主が御霊魂(ごれいこん)を御父(おんちち)の御手(みて)に委ね給いし如く、われをして臨終の時、わが霊魂を主の御手(みて)に委(まか)せ奉ることを得しめ給え。アーメン。


■ p.286 終油(しゅうゆ)の秘蹟を受くる前の祈

 ああ天主、主はきわめてまことなる御者(おんもの)にましませば、われ深く主を信じ奉る。いたつて善(ぜん)なる御者にましませば、われ厚く主を頼み奉る。限りなく愛すべき御者にましませば、われ心を尽して主を愛し奉る。主のいともきらい給う罪を犯して主に背き、あわれみ深きイエズスを十字架にはりつけまいらせたるを、心の底より悔み(くやみ)奉る。天にましますわが父よ、われ心より人に赦す如く、わが罪を赦し給え。

 われはこの病の苦しみを尊き救世主の御苦難に合わせて、わが数々の罪の償い(つぐのい)としてこれを耐え忍ばんと決心し奉る。願わくは御旨(みむね)の天に行わるる如く地にも行われんことを。

 主よ、わがまさに受けんとする終油(しゅうゆ)の秘蹟によりて、わが罪のあとを除き、悪魔の誘惑よりわれを護り(まもり)、われを強めて邪慾(じゃよく)に勝たしめ給え。かくて、もし主の思召し(おぼしめし)ならば、われを快復せしめ給い、然(しか)らざればわれに善き(よき)終りをとぐる御恵みを与え給え。アーメン。


公教会祈祷文


■ p.288 終油(しゅうゆ)の秘蹟を受けたる後(のち)の祈

 いと慈しみ深きイエズスよ、主は終油の秘蹟によりて、病苦を軽くし、罪のあとを除き、誘惑に勝つ御恵み(おんめぐみ)を与えんと約束し給いたれば、われ、いま、この大いなる御恵みを賜りたることを、主に深く感謝し奉る。

 願わくは、われをして息絶ゆるまで聖寵(せいちょう)を保(たも)たしめ給え。われはわが身と霊魂とを主に委せ(まかせ)奉る。御旨(みむね)のままに計らい給え。アーメン。



公教会祈祷文


■ p.289 重病人のためにする祈

臨終の時の心得 救霊を得るか否かは、臨終における霊魂の状態いかんに由る。それであるから臨終に際しては信望愛の心を起し、まごころから罪を痛悔せねばならない。さらに信者は悔しゅん、聖体、終油の秘蹟を授かるよう努めなければならない。また他人の臨終に当たつても右同様の覚悟をさせる必要がある。司祭が不在で秘蹟を受けられない時は、病人は必ず完全な痛悔を起さねばならない。臨終に際して心から罪を痛悔し、イエズスの御名を唱えれば(口で唱え得ぬ時は心の中に唱えても)全贖宥が得られる。


公教会祈祷文


■ p.289 臨終の祈

 病人に十字架があればこれを抱かせ、あるいはこれを持たせて次のように祈る。

 十字架 聖父(ちち)と聖子(こ)と聖霊との御名(みな)によりて。アーメン。

 ああ天主、われうやうやしく三位一体(さんいいったい)にまします御身(おんみ)を礼拝し、イエズス・キリストの定め給える公教会の教えをことごとく信じ奉る。

 御子(おんこ)イエズス・キリストはわれらのために生まれ、十字架にくぎ付けにせられて死し給えり。願わくはその御苦難(ごくなん)と御血(おんち)の功徳(くどく)とをもつてわが罪を赦し、天国の終りなき命を与え給え。汚れなき聖マリアおよび諸聖人(しょせいじん)の御取次(おんとりつぎ)によりて願い奉る。

 ああ天主、わが一生を通じてわれに与え給えるあまたの御恵みを感謝し奉る。主はわれを造り給いしのみならず、われを救わんがために御子(おんこ)イエズス・キリストをこの世に遣(つか)わし給えり。かくて天主なる救世主はわが罪を償(つぐの)わんがために、三十三年の間この世に止(とど)まり給い、あらゆる苦しみをしのぎ、わが霊魂の糧として聖体の秘蹟を定め、天国の終りなき喜びを与えんと約束し、ついに十字架にくぎ付けにせられて死し給えり。われはかくの如き(ごとき)主の御慈しみ(おんいつくしみ)に報い奉らんがため、諸天使(しょてんし)諸聖人(しょせいじん)の主を敬い愛する如く、万事(ばんじ)に超えて心の底より主を愛し奉る。

 われは罪を犯せしをもつて天主に棄てられ、終りなき苦しみを受くべき身なれども、一心に悔(くや)みて御あわれみを請(こ)い奉る。わが罪はいかに重くとも、主の御あわれみはさらに深く、イエズス・キリストの御血(おんち)の功徳(くどく)はさらにすぐれたれば、ひとえに御赦し(おんゆるし)を願い奉る。我(わ)がしばしば御父(おんちち)に背き、イエズス・キリストを十字架にくぎ付けにし奉りたるを赦し給え。

 願わくは、わがために流し給える御血(おんち)の功徳(くどく)と、汚れ(けがれ)なき聖マリアの御取次(おんとりつぎ)とにより、われにまことの痛悔(つうかい)を起(おこ)さしめてわが罪を赦し給え。他人のわれに加えたる害をば心より赦すがゆえに、わが他人に加えたる害をも赦し給え。

 ああ天主、わが痛みも苦しみも、悲しみも、ことごとくイエズス・キリストの御苦難(ごくなん)と合わせて罪の償い(つぐのい)としてこれを献げ、謹みて(つつしみて)わが身とわが命とを御手(おんて)に託せ(まかせ)奉る。されどもし御あわれみによりて快復することを得ば、ますます力を尽して主に仕えんと決心し奉る。アーメン。

 あわれみ深き御母(おんはは)にまします聖マリア、われを敵より護り(まもり)、最後の時にわれを受け取り給え。

 聖ヨゼフ、御身(おんみ)の浄配(じょうはい)聖マリアと共にわがために祈り、われをして天主の御(おん)あわれみのうちに入る(いる)ことを得しめ給え。

 右の祈りのほか左の射祷をも任意に随時繰りかえし唱えるがよい。

○ああ天主、広大なる御あわれみをもつてわれをあわれみ給え。
○救世主イエズス・キリスト、われは主に依(よ)り頼みたれば、永遠に恐るることあらじ。
○ああ天主、わが霊魂を御手(みて)に託せ(まかせ)奉る。
○いと柔和なるイエズス、御苦難(ごくなん)の功徳によりて、われを善人のうちに加え給え。
○主イエズス・キリスト、わが霊魂を天国に導き給え。
○わが守護の天使、われを護り給え。
○天国の諸聖人、わがために祈りてわれを助け給え。


公教会祈祷文


■ p.294 最終の祈

 いよいよ最後に当たつては親族、友人らは病床近くにひざまずいて、熱心に病人のために祈る。たとえ病人が唱えることができなくとも次の射祷を繰り返し聞かせる。

 主よ、御手(みて)のうちにわが霊魂を委せ(まかせ)奉る。
 主イエズス・キリスト、わが霊魂を受け取り給え。
 聖マリア、わがために祈り給え。
 あわれみ深き御母聖マリア、われをあだより守り、最後の時にわれを受け取り給え。
 聖ヨゼフ、わがために祈り給え。
 聖ヨゼフ、御身(おんみ)の浄配(じょうはい)聖マリアと共に、わがために祈り、われをして天主の御あわれみのうちに入ることを得しめ給え。
 イエズス、マリア、ヨゼフ、心と霊魂とを御手(みて)に託せ(まかせ)奉る。
 イエズス、マリア、ヨゼフ、臨終(りんじゅう)のもだえの時に、われを助け給え。
 イエズス、マリア、ヨゼフ、御保護(ごほご)のもとに安らかに息絶ゆるを得しめ給え。


公教会祈祷文


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