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死者のための祈


p.297 霊魂肉身(にくしん)を離れたる後(のち)の祈

 天主の聖人は来(きた)りてかれを助け、主の天使は出(い)でてかれを迎え、かれの霊魂を受け取りていと高きにまします天主の御前(みまえ)に献げ給わんことを。▲かれの招き給えるキリストはかれを受け取り、天使は天国にかれを導き給わんことを。

 主の天使はかれの霊魂を受け取りていと高きにまします天主の御前に献げ給え。▲主よ、永遠(えいえん)の安息をかれに与え、絶えざる光を彼の上に照らし給え。

 主あわれみ給え。▲キリストあわれみ給え。
 主あわれみ給え。

(主祷文 一頁) 天にましますわれらの父よ、願わくは御名(みな)の尊まれんことを、御国(みくに)の来(きた)らんことを、御旨(みむね)の天に行わるる如(ごと)く地にも行われんことを。 ▲われらの日用(にちよう)の糧(かて)を、今日(こんにち)われらに与え給え。われらが人に赦す如く、われらの罪を赦し給え。われらを試みに引き給わざれ、われらを悪(あく)より救い給え。アーメン。

 主よ、永遠の安息をかれに与え。▲絶えざる光をかれの上に照らし給え。
 かれの安らかに憩わんことを。▲アーメン。
 主よ、わが祈りを聴き容れ給え。▲わが叫びを御前にいたらしめ給え。

 祈願 主よ、世を去りたるこの霊魂を主の御手に委せ奉る。かれが世にありし間、弱きによりて犯したる罪を、大いなる御(おん)あわれみもて赦し給え。われらの主キリストによりて願い奉る。▲アーメン。

右の祈りが終つてから、遺がいを仰向けに寝かせて胸の上に手を組ませ、十字架あるいはロザリオがあればこれを手に持たせる。側の台の上に十字架を置き、ろうそくをともし、聖水を備える。弔い来る者は聖水を遺がいに注いで祈る。


公教会祈祷文


p.299 司祭不在の時の葬式

葬式は普通司祭が司式するのであるが、やむを得ず司祭なしで行う場合には次のようにする。

一、一般の場合

始めに主祷文天使祝詞使徒信経を一回ずつ唱え、次に「霊魂肉身を離れたる後の祈」(二九七頁)を唱える。葬列を作つて墓に行く場合は途中ロザリオ、聖歌などをもつて死者のために祈るがよい。墓地において棺を墓の側に置き、デ・プロフンディス(三〇五頁)を唱える。埋葬して後、次の祈りを唱える。

墓前(ぼぜん)の祈

 主よ、御顔(おんかお)を向けてわれらを顧み、われらの祈りに慈しみの御耳(おんみみ)を傾け給え。願わくは、主のしもべの願いを聴き容れ給え。

 聖なる主、全能の御父(おんちち)、永遠(えいえん)の天主、主がこの世のやみより永遠の光に招き給いしこのしもべ(しもめ)のために願い奉る。願わくは、かれをして主の楽園に住まわしめ給え。

 主よ洗礼の水に潔(きよ)められ、救霊の聖香油(せいこうゆ)にて祝せられたるこのしもべ(しもめ)の霊魂が、主の天国に入るを得しめ給え。かれは世にありし間、主の御慈悲(おんじひ)にすがりたれば、主のいと大いなる御あわれみによりて、この願いを聴き容れ給え。われらの主イエズス・キリストによりて願い奉る。▲アーメン。

 主よ、永遠の安息をかれに与え、▲絶えざる光をかれの上に照らし給え。
 かれの安らかに憩わんことを。▲アーメン。
 願わくは、死せる信者の霊魂、天主の御あわれみによりて安らかに憩わんことを。▲アーメン。

終りに聖歌を歌う。

公教会祈祷文


ニ、幼児の場合

七才未満の小児の葬式を行う時は、小児の救霊のためでなく、その霊魂に天国の幸福を与え給う天主を讃美する。故に主祷文、天使祝詞、使徒信経一回ずつ唱えた後、次の祈りを唱える。

 全能全善(ぜんのうぜんぜん)の天主、主は洗礼によりて新たに生まれたる幼児(おさなご)には、この世を去りたる後(のち)、ただちに終りなき命を与え給う。われらは主が今日(こんにち)この幼児にかく恵み給えるを信じ奉る。▲願わくはわれらもまた終生童貞なる聖マリア、および諸聖人の御取次(おんとりつぎ)によりて、この世においては清き心をもつて主に仕え、天国においては幸いなる幼児(おさなご)らと共に、終りなく喜ぶことを得しめ給え。われらの主キリストによりて。アーメン。

墓地への途中ロザリオ(栄えの玄義)を祈り、聖歌を歌い、埋葬した後、次の祈りを唱える。

 清浄潔白(しょうじょうけっぱく)をよみし給う全能永遠の天主、主はこの幼児(おさなご)をあわれみて、かれの霊魂を天国に招き給いたれば、願わくはわれらの上にも御あわれみを垂れ給え。▲主のいと尊き御受難(ごじゅなん)の功徳(くどく)と終生童貞なる聖マリア、および諸聖人の御取次(おんとりつぎ)によりて、われら一同、諸聖人およびすべて主に選ばれたる者と共に、天国の永福を得(う)るにいたらんことを、聖父(ちち)と聖霊と共に、永遠にしろしめし給う主イエズス・キリストによりてこいねがい奉る。アーメン。


公教会祈祷文


p.304 すべての死者のための祈

 主よ、われらみまかりし者の霊魂のために祈り奉る。▲願わくは、そのすべての罪を赦し、終りなき命の港にいたらしめ給え。アーメン。

 主よ、永遠の安息をかれらに与え、▲絶えざる光をかれらの上に照らし給え。

 祈願 すべての人の救霊を望み、罪人(つみびと)に赦しを与え給う天主、主の御あわれみを切に願い奉る。願わくは、終生童貞なる聖マリア、および諸聖人の御取次(おんとりつぎ)によりて、すでにこの世を去りしわが親、兄弟、姉妹、親族、恩人、友人に永遠の福楽を与え給わんことを、われらの主イエズス・キリストによりて願い奉る。▲アーメン。


公教会祈祷文


p.305 デ・プロフンディス(詩一二九)

 主よ、われ深きふちより主に叫び奉れり。主よ、わが声を聴き容れ給え。▲願わくは、わが願いの声に御耳(おんみみ)を傾け給え。

 主よ、もし不義に御目(おんめ)を留め給わば、主よ、たれかよく立つことを得ん。▲されど主に御あわれみあるにより、また主の御戒めのために、主よ、われは主に依り頼めり。

 わが魂は主の御言葉(おんことば)に依り頼み、わが魂は主に希望せり。▲朝より夜にいたるまで、イスラエルは主に希望すべし。

 そは主の御許(おんもと)にあわれみあり、また豊かなるあがないあればなり。▲主は御みずからイスラエルを、そのすべての不義よりあがない給わん。

 主よ、永遠の安息をかれらに与え、▲絶えざる光をかれらの上に照らし給え。

 祈願 すべての信者の創造主、かつあがない主にまします天主、主のしもべ(しもめ)らの霊魂に、すべての罪の赦しを与え給え。願わくは、かれらが絶えず望み奉りし赦しをばわれらの切なる祈りによりてこうむらしめ給え。世々(よよ)に活(い)きかつしろしめし給う主によりて願い奉る。▲アーメン。

 主よ、永遠の安息をかれらに与え、▲絶えざる光をかれらの上に照らし給え。
 かれらの安らかに憩わんことを。▲アーメン。


公教会祈祷文


p.307 通夜の時の祈

(通夜の時の祈)一、

 全能全善なる天主、主は限りなき御慈しみもて、永遠の福楽にいたらしめんため、我等人間を造り給いたれば、願わくは主に召されて天のふるさとに帰り行くこのしもべ(しもめ)の霊魂を御国(みくに)に受け取りて、主の御前(みまえ)に永遠に喜ぶを得しめ給え。

 主あわれみ給え。▲キリストあわれみ給え。
 主あわれみ給え。

 天にましますわれらの父よ、願わくは御名の尊まれんことを、御国の来らんことを、御旨の天に行わるる如く地にも行われんことを。▲われらの日用の糧を今日われらに与え給え。われらが人に赦す如く、われらの罪を赦し給え。われらを試みに引き給わざれ、われらを悪より救い給え。アーメン。

 主よ、永遠の安息をかれに与え。▲絶えざる光をかれの上に照らし給え。
 主よ、かれの霊魂を受け取りて、▲御国へ導き給え。
 かれの安らかに憩わんことを。▲アーメン。


公教会祈祷文


(通夜の時の祈)ニ、

 真理の源なる天主、主は御愛(おんあい)のまなざしをわれらに注ぎ、尊き御(み)教えを示してこれを信ずる恵みを賜いたれば、願わくは、主の御言葉(みことば)に頼りて信仰の道を歩みしこのしもべ(しもめ)の霊魂に、御約束(おんやくそく)の報いを与え、御国において限りなき福楽を得しめ給え。

 主あわれみ給え。▲キリストあわれみ給え。
 主あわれみ給え。

 天にましますわれらの父よ、願わくは御名の尊まれんことを、御国の来らんことを、御旨の天に行わるる如く地にも行われんことを。▲われらの日用の糧を今日われらに与え給え。われらが人に赦す如く、われらの罪を赦し給え。われらを試みに引き給わざれ、われらを悪より救い給え。アーメン。

 主よ、永遠の安息をかれに与え。▲絶えざる光をかれの上に照らし給え。
 主よ、かれの霊魂を受け取りて、▲御国へ導き給え。
 かれの安らかに憩わんことを。▲アーメン。


(通夜の時の祈)三、

 救世主イエズス・キリスト、主はわれらを永遠の死より救わんがため、天より降(くだ)りて人となり給いしにより、願わくは主を信じ、洗礼を受けて天主の愛子(あいし)、御身の兄弟となりしこのしもべ(しもめ)の霊魂を、諸聖人の列に加え、相共(あいとも)に主の御前にて永遠に楽しむを得しめ給え。

 主あわれみ給え。▲キリストあわれみ給え。
 主あわれみ給え。

 天にましますわれらの父よ、願わくは御名の尊まれんことを、御国の来らんことを、御旨の天に行わるる如く地にも行われんことを。▲われらの日用の糧を今日われらに与え給え。われらが人に赦す如く、われらの罪を赦し給え。われらを試みに引き給わざれ、われらを悪より救い給え。アーメン。

 主よ、永遠の安息をかれに与え。▲絶えざる光をかれの上に照らし給え。
 主よ、かれの霊魂を受け取りて、▲御国へ導き給え。
 かれの安らかに憩わんことを。▲アーメン。


(通夜の時の祈)四、

 慈しみ深きイエズス、主はわれらの罪を償(つぐの)わんがため、堪え難き苦しみを受け、十字架に付けられて死し給いしにより、願わくは心より悔みて主の御あわれみを求むるこのしもべ(しもめ)を顧み、御苦難の功徳によりて、その犯せし罪を赦し、主と全く和らぎて御胸(みむね)のうちに憩うを得し給え。

 主あわれみ給え。▲キリストあわれみ給え。
 主あわれみ給え。

 天にましますわれらの父よ、願わくは御名の尊まれんことを、御国の来らんことを、御旨の天に行わるる如く地にも行われんことを。▲われらの日用の糧を今日われらに与え給え。われらが人に赦す如く、われらの罪を赦し給え。われらを試みに引き給わざれ、われらを悪より救い給え。アーメン。


 主よ、永遠の安息をかれに与え。▲絶えざる光をかれの上に照らし給え。
 主よ、かれの霊魂を受け取りて、▲御国へ導き給え。
 かれの安らかに憩わんことを。▲アーメン。


(通夜の時の祈)五、

 主は『人もしわれに従わんと欲せば、おのれを棄て、おのが十字架を取りて、われに従うべし』と宣(のたま)えり。願わくはこのしもべ(しもめ)が困難、苦痛を耐え忍び、御跡(おんあと)を慕いしを顧みて、御父(おんちち)の許(もと)へ導き給え。

 主あわれみ給え。▲キリストあわれみ給え。
 主あわれみ給え。

 天にましますわれらの父よ、願わくは御名の尊まれんことを、御国の来らんことを、御旨の天に行わるる如く地にも行われんことを。▲われらの日用の糧を今日われらに与え給え。われらが人に赦す如く、われらの罪を赦し給え。われらを試みに引き給わざれ、われらを悪より救い給え。アーメン。

 主よ、永遠の安息をかれに与え。▲絶えざる光をかれの上に照らし給え。
 主よ、かれの霊魂を受け取りて、▲御国へ導き給え。
 かれの安らかに憩わんことを。▲アーメン。


(通夜の時の祈)六、

 主よ、御身は『なんじ心を尽し、霊を尽し、意を尽してなんじの天主を愛し、また近き者をおのれの如く愛すべし』と命じ給えり。願わくはこのしもべ(しもめ)が知恵をもつて主を求め、心をもつて主を愛し、また主の御ために隣人を愛せしを顧み、無上の栄福を与え給え。

 主あわれみ給え。▲キリストあわれみ給え。
 主あわれみ給え。

 天にましますわれらの父よ、願わくは御名の尊まれんことを、御国の来らんことを、御旨の天に行わるる如く地にも行われんことを。▲われらの日用の糧を今日われらに与え給え。われらが人に赦す如く、われらの罪を赦し給え。われらを試みに引き給わざれ、われらを悪より救い給え。アーメン。

 主よ、永遠の安息をかれに与え。▲絶えざる光をかれの上に照らし給え。
 主よ、かれの霊魂を受け取りて、▲御国へ導き給え。
 かれの安らかに憩わんことを。▲アーメン。


 祈願 主よ、誠心(まごころ)もて願い奉るわれらの祈りに、御耳を傾けて御慈しみを垂れ給え。主の御召(おめし)によりてゆきししもべ(しもめ)の霊魂を、平安と光明(こうみょう)との御国に迎え、諸聖人の栄えに加え給わんことを、われらの主キリストによりて願い奉る。 ▲アーメン。


公教会祈祷文


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